マラウイ経済の根幹、農業について。
1.労働者の90%が農民?
マラウイの経済は農業が主体であり、人口の約90%が農村部に住み農業に携わっています。全労働要員の90%が農業に従事しており、国内総生産の37%、輸出総額の90%近くが農業なのです。
輸出品目として最も重要な農業作物はタバコであり、農業品目のうちの70%、輸出総額のうちの実に65%近くを占めています。その他の主要輸出品目には茶、サトウキビ、コーヒーがあり、タバコにこれら3品目を加えると、マラウイの輸出総額のうちの90%近くを占めています。その他栽培が行われている作物には、綿花、トウモロコシ、ジャガイモ、ソルガムなど。タバコや砂糖などの加工は、マラウイの重要な第二次産業となっている他に、ウシやヤギの牧畜も行われています。小規模な自作農家は、トウモロコシ、豆、米、キャッサバ、タバコ、ピーナッツなどの様々な作物を栽培しています。
2.南北に長いマラウイは気候や作物が変わる?
マラウイの国の形は南北に細長く、カロンガとムランジェでは緯度は7度近く異なります。これは日本で言うならば、例えば高知と青森くらい違います。また、国の東側に位置するマラウイ湖周辺は標高およそ500mですが、そのマラウイ湖の西側は900~1200m、ニイカナショナルパークのあたりやデッザなどでは2000~2500mというところもあります。
左の画像は、マラウイ国内で目にする畑で作られているもののいくつかを地図上に示したものです。
これらを考えると、地域によって気温や雨の降り方が多様で、栽培に適した農産物がそれぞれあることが想像しやすくなるのではないでしょうか。
3.マラウイアンの魂、シマの原料メイズとは?
マラウイ人がこよなく愛す(?)主食の「シマ」の原料、メイズはほとんどの家庭で栽培されています。メイズは私たちが「とうもろこし」として思い浮かべる黄色い夏の野菜とは味が違うものの、トウモロコシです。トウモロコシは本来病気などに強く、栽培が容易な作物と言われています。さらにメイズは日本でおなじみのスイートコーンと呼ばれるものより甘みが少なく実が堅いデントコーンで、より手がかかりません。
マラウイ人に好きな食べ物を聞くと、「シマ」と答える人が多く、シマの原料であるメイズは一生懸命育ててるという印象があります。しかし実際のところは、やはり人ぞれぞれです。「木の枝で穴をあけ、種を落とし入れて足で土をかぶせる」という播種方法が一般的です。
4.メイズ栽培に関する問題点
メイズは簡単に育てることができますが、地力低下という問題が起こっています。
考えられる原因は①ケア不足 ②高カロリー過剰摂取の二つです。
①ケア不足
同じ土地で毎年同じ作物を栽培する連作という状況や、畑をしっかり耕さないといったことです。イネ科であるメイズは連作による障害は出にくく、メイズ栽培以外の時期は他の野菜を作っていることも多いので、さほど心配はないかもしれません。しかし、驚いた事に前年と同じ畝を使うというズボラ栽培を行う人もいます!
土は耕し動かされること、空気が混ざることだけでもその力を少し回復させることができ、反対に耕されないままの状態が続くと土はどんどん固くなり、植物体の主に根の生長に負荷をかけるようになる可能性が高いです。
②高カロリー過剰摂取(サプリ依存症)
マラウイではクーポンが配られ、それが手に入ると化成肥料が非常に安価で購入できます。マラウイ人は肥料さえ手に入ればメイズの収量が良くなると考えている人が多く、肥料に頼り切っている部分があります。
少量でも成果が出るところ、やりすぎによって肥料が無駄になってしまっているケースが多くなり、そのような土は本来の成分バランスが崩れていき、肥料なしではメイズが育ちにくいことが考えられます。
5.マラウイで手に入る野菜
意外に思えるかもしれませんが、色々な野菜・果物が買えます!
右の写真は、マーケットで売っている野菜です。
トマト、玉ねぎ、チャイニーズ、なす、オクラ、きゅうり、トウガラシ、じゃがいも、キャッサバ、さつまいも、にんじん、インゲン、ピーマン、かぼちゃ、ニンニク、しょうが、豆類、きのこ、コリアンダー、パセリ、大根、長ねぎ、セロリ、ヤムイモ、タロイモ、ブロッコリー、カリフラワー、レタス、白菜、かぶ、ゴボウ、みつばなどなど。
ぜひマーケットで探してみて下さい。