マラウイ人食文化。
マラウイ人は、日本人と同じように一日三食です。朝食は、たっぷりの砂糖が入った紅茶とパン、茹でたキャッサバやかぼちゃ、さつまいもが一般的です。おやつは、マンダシと呼ばれる揚げパンや茹でたメイズ、茹でた落花生、シュガーケーンを食べます。果物は、季節によって異なりますが、マンゴー、グァバ、アボカド、みかん、バナナ、パパイヤ、パッションフルーツ等、沢山の種類があります。昼食と夕食は、シマと2、3種類のおかずが食卓に並びます。食事をする際は、素手で食べるのが一般的です。基本的には大皿に入ったシマとおかずを各自で取り分け、食べやすい大きさにちぎったシマを手でまるめ、おかずと一緒に口に運びます。客人に食事をもてなす際には、食事をしない人は席を外さないと失礼にあたるとされています。その他、国民の約70%がキリスト教徒であるマラウイでは、食前のお祈りも欠かせません。
ソウルフード、シマ
マラウイ人に「昨日の夕食は何を食べた?」と聞くとほとんどの人が「シマとおかず」と答えます。シマ(Nsima)とは、とうもろこしの一種であるメイズの粉をお湯で練った「マラウイ人のソウルフード」です。舌触りはなめらかで味はほとんどありませんが、家庭よって多少、味は異なります。この他、マラウイ北部ではコンドオーレと呼ばれるキャッサバで作ったシマも食されています。お米も主食として食べますが、一般のマラウイ人にとっては高価なため、日常的には食べられず、クリスマスや特別なイベントの時にご馳走として食べられています。またマラウイ人によっては、お米よりもシマのほうが、腹持ちがいいようです。
おかずは、葉野菜や豆をトマトと玉ねぎで煮たものが一般的です。野菜よりも高価な卵、魚、肉類は、週に1、2回食卓に並ぶ程度です。肉類は地域によって異なりますが、鶏肉、牛肉、ヤギ肉、豚肉、変わった所だとカバの肉を食べます。おかずのバリエーションは少なく、どのおかずも、大体の味付けは油と塩のみです。味付けで、砂糖やコショウは使いません。
マラウイのお酒
銘柄は少ないですが、都市部ではビール、ワイン、ジン、ウォッカ、ウィスキーなどほとんどの種類が手に入ります。特にワインは南アフリカから輸入されたものが多く比較的種類も豊富です。ビールはカールスバーグが主流でブランタイヤという商業都市には工場もあり、国内生産されています。さすがに生ビールや日本酒、焼酎にありつくことは難しいですが、地方でも街と言える場所には上述したものは置いてあるため、十分にお酒を楽しむことができる環境にあります。
さて、ここからは村のお酒事情です。村でもボトルストアと言われる酒場があるところでは、カールスバーグのビール(350MK=約88円)を飲むことができます。しかし、このビールを飲んでいる人は比較的お金を持っている人で、多くの人がチブクやマセシというトウモロコシを原料としたお酒を好んで飲んでいます。例えるなら、味はどちらも日本のどぶろくに近いかな?という感じです。マラウイ北部の村では、毎週水曜日のマーケット開催日に合わせて、午前中から青空酒場が開かれ、かなりの人で賑わいます。ここでは、マセシをドラム缶から5リットルペットボトルを切った容器に移して、4〜6人ほどで回し飲みします。お金はある人が払うという慣習になっているようで、お金がなくともアルコール摂取可能です。老若男女が集い、アルコール度数はビールよりも低いマセシで酔っぱらい、楽しそうに踊ったり、話したりしています。ここも大事な地域のコミュニケーションの場となっています。ただ、午前中から飲んでいるので、この後の仕事はどうするの?という疑問は残ります。というか仕事を持たない人が多いからこんなに人が集まっているとも言えるのですが・・・
マラウイ独特の酒文化を体験したい場合は、是非、地方の村にまで足をのばしてみて下さい。
カロンガの食事情
タンザニアとの国境を接するカロンガならではの朝の定番スープ。
噛まなくても割けるくらい柔らかくなるまで仕込んだ牛肉と、バナナと一緒に煮込んで完成。肉の旨みが煮汁に溢れだして、豚骨スープを思い出します。バナナは甘い店と甘くない店があるので、両方食べてみるのがおすすめ。マラウイの中ではカロンガでしか食べられないものの一つです。
文責:26-2 コミュニティ開発 日下茜
26-3 コミュニティ開発 坂井晴香