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子供たちの栄養状態を改善したい。

~平成26年度9次隊短期ボランティア 岡部まり(おかべまり)~

 

 

 

 

 

なだらかな丘が広がるムジンバ県で子供たちの健康を見守る小児科の先生。

華奢で可愛らしい見た目によらず、マラウイでのボランティア生活は2回目です。

今日は、10ヶ月の活動が終わり明日帰国される岡部さんに活動の振り返りや

現在の心境を聞いてみました。

 

 

 

 

ーまずは、自己紹介をお願いします。

 

平成26年度9次隊短期派遣、公衆衛生でムジンバに派遣されました、岡部まりと申します。

 

 

 

ー活動は何をされていますか?

 

5歳未満児の栄養状態改善を目的とした日本のNGO(ISAPH)に派遣されていました。メインの

活動は、プロジェクトが1年以上進行していたものだったので、そのプロジェクトが円滑に進

むようにサポートをすることでした。

 

 

 

ーISAPH(アイサップ)とは?

 

ISAPHはInternational Support and Partnership for healthの略で、聖マリア病院の国際事業部を母体とした団体です。聖マリア病院の職員さんたちが中心となったNGOです。プロジェクトの予算はJICCAの草の根プロジェクトからももらっています。ラオスで栄養改善プロジェクトが先に始まり、マラウイでは2年ほど前から始まりました。マラウイでのプロジェクト期間は3年です。

 

 

 

ー活動の中で困難だったことは?

 

マラウイの事務所に日本人のスタッフが多く、現地の人との関わりが少なかったと思います。また、責任者が日本(東京・九州)にいるんですよ。そこと現場の意思疎通が上手くいかなかったり矛盾が生じたり、そこが問題なんじゃないかなと思っていました。

 

 

 

ー逆に嬉しかったこと、またはやりがいを感じれたことは?

 

農村部のお母さんたちに栄養教育をしてたんですけど、ワークショップをしてしばらくした後に「朝ごはんを食べなかった村のお母さんたちが、朝ごはんを食べるようになり、心なしか子供たちも大きくなってきた気がする」とお母さん達に言われたのが嬉しかったですね。プロジェクトの内容が村の人達に良いこととして実感してもらえてるのかなぁと思いました。

 

 

 

ー日本の子供と比較して、マラウイの子供はどう問題なんでしょう?低栄養児の子供は多いですか?

 

まず、日本には低栄養児の子供はほとんどいません。いても先天的に病気であったり、拒食症であったりなので、食べられなくて低栄養という子供は少ないんですよ。低体重児・低身長児の子供に関しては、WHOが作った成長曲線があって、-2SD(Standard Deviation)以下が低体重児・低身長児なんですが、ISAPHのデータ上では、対象地域での低体重児の割合は10%前後です。マラウイでは体重は計るんですけど、身長は計りません。なので身長も計ることを推奨するのがISAPHのプロジェクトの一つなんです。対象地域外では、小児の年齢の平均体重より低い子供だけを身長を計る対象にしています。その中でも基準を下回った子供は、保健省管轄のプログラムで食料配給を受ける事ができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー岡部さんはマラウイに来られるの2回目だそうですが、どうしてもう1度来ようと思われたのですか?

 

正直、2回目はマラウイを目指してたわけじゃなくて、、(笑)次のステップに進むにあたって、途上国での公衆衛生分野での経験が必要だったんです。そのことをJICAに相談したところ、この要請を勧めて頂きました。

 

 

 

ー2回目のマラウイはどうでした?

 

どう変わってるか楽しみでした。二度と戻ってこれると思ってなかったので、マラウイとの縁を感じました。

 

 

 

ー前回は何をされてたんですか?

 

前回は理数科教師でした。当時は医学部生で休学をしたのですが、理数科の教員免許が必要なく理系学部で4年間勉強したと同等の知識があると認めてもらって、ゾンバ(南部)のセカンダリースクールに派遣されてました。

 

 

 

ー当時(2000年~2002年)と今のマラウイを比べてどうですか?

 

思ったより変わってなかったですが、ただ車の量と携帯の普及率は違いますね~。

十何年ぶりに前の任地を訪問したところ、元の同僚はみんな転勤だったり退職等でいなかったんですけど、仲介を経て前の同僚と再会でき、また元同僚たちにも喜んでもらったことが感動でした。

 

 

 

ー短期ボランティアと長期ボランティアの違いは?

 

短期は時間がないので、決まってるところに投入されないと何もできないです。形ができているプロジェクトのアドバイスをする感じです。長期JOCVだと、自分で必要なもの・ことを現地人同僚と考えたり、日程をアレンジしたり、ベースとなるプロジェクトをデザインすることになりますよね。

 

 

 

ーマラウイの好きなところは?

 

すみません、ゾンバが好きです(笑)気候もいいし、緑も多いし、湖も近いし、良くしてもらった思い出が強いですね~。

 

 

 

ー途上国経験を既に2回されてますが、今後の進路は?

 

9月からイギリス(LSHTM)でPublic Healthのマスター就学(1年間)が決まってるので、マスターを取得した後頑張ってコネクションを作って、一回でいいから、UNとか世界保健機構とか大きな国際機関で仕事がしてみたいです。

 

 

 

ー明日帰国ですが、どうですか?

 

前回は後ろ髪引かれる思いでしたが、今回は次が決まってるので、次へ行くぞっていう感じですね。

 

 

 

ー一言メッセージをお願いします。

 

隊員生活も仕事も人生も、楽しまないと続かないので、楽しんでください。

 

 

取材日:2015年7月18日

文責:26-2 林業・森林保全 山本美紀

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