教育に携わるすべての人に贈る、 教育をあきらめなかった少年の物語
あなたは、マラウイの農村で風力発電を作り上げた少年を知っていますか?マラウイ南部に位置するカスング県ウィンベ村で生まれ育ったウィリアム・カムクワンバくん(写真)のお話です。
彼はこの風車を使って、電気を作ろうと何度も試み、成功させました。
彼の共書『風をつかまえた少年』は、すべての教育に携わる人に贈るノンフィクション。
帯には、カムクワンバくんが教訓として記した言葉が載せられています。
「何かを実現したいと思ったら、まずはトライしてみることだ。」
この言葉に込められた意味は、彼の生き様から何倍にも重く感じられます。
しかし、当時の困難は決して彼だけに押し掛かっていたわけではありません。
彼の父は、換金作物であるタバコを育てていましたが、学費を払い続けるのは簡単なことではありません。せっかく進学できたセカンダリースクールに通うことを諦め、加えて食糧危機という生命を脅かす事態が全国民に襲い掛かりました。
彼は苦労の末、風車を完成させます。その功績が認められ、2007年にTED(※)に出演することになります。彼は学ぶことを諦めなかった、その努力を神様がちゃんと見ていてくれたのかもしれません。
あれからアメリカへの留学を果たし、彼がマラウイの教育にどんな旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみです。
※TED…Technology Entertainment and Designの略称で、年に一度科学者や発明家や起業家が自分たちの計画を互いに紹介し合う会議のこと。(本書より抜粋)
写真の説明…風車の写真が表紙に使われた<エネルギーの利用>というアメリカの教科書を手にほほえむ、ウィリアム・カムクワンバ少年。この本との出会いが、彼の運命を大きく変えた。(本書より抜粋)